New Movement for Pharmacy
Serendip Pharmacy & Pharmacist
豆知識
■ 2007/05/21
介護保険と薬剤師(その2):在宅療養支援診療所の展望
前回は、療養病床の経緯を中心に、入院から在宅へという患者の流れについて整理しました。今回は、在宅患者を支える地域の「かかりつけ医」の役割についてご紹介します。
在宅医療に力を入れる診療所が年々増加しています。
高齢化が進み、在宅で医療や介護を受ける人が増加していること、介護保険導入で、介護サービスを受ける人が増加していること、診療報酬で在宅医療の評価が高まってきていること、そして診療所の数が増加し外来患者が伸び悩んでいること、など様々な背景がその要因にあります。在宅に帰った患者を、主治医として診療所の医師が医学的管理を行い、その他の介護サービスを組み合わせて提供するケースも増加しています。
こうしたなか、4月の診療報酬改定で新設されたのが「在宅療養支援診療所」です。在宅療養支援診療所の施設基準は次の通りです。実際には、訪問看護ステーションとネットワークを組み、夜間急変時の訪問体制を構築しているケースもあります。
- 保険医療機関たる診療所であること
- 当該診療所において、24時間連絡を受ける医師又は看護職員を配置し、その連絡先を文書で患家に提供していること
- 当該診療所において、又は他の保険医療機関の保険医との連携により、当該診療所を中心として、患家の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書で患家に提供していること
- 当該診療所において、又は他の保険医療機関、訪問看護ステーション等の看護職員との連携により、患家の求めに応じて、当該診療所の医師の指示に基づき、24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護の担当看護職員の氏名、担当日等を文書で患家に提供していること
- 当該診療所において、又は他の保険医療機関との連携により他の保険医療機関内において、在宅療養患者の緊急入院を受け入れる体制を確保していること
- 医療サービスと介護サービスとの連携を担当する介護支援専門員(ケアマネジャー)等と連携していること
- 当該診療所における在宅看取り数を報告すること
さらに今後、療養病床を削減する過程において、「在宅療養支援拠点」を設ける考え方が浮上してきています。

在宅療養支援拠点は、在宅療養支援診療所を軸に、訪問看護ステーション、訪問介護事業所、居宅療養支援事業所などが連携するという図式が描かれています。薬局で居宅療養支援事業を行なうケースもありますが、それ以上に注目すべきなのが、在宅療養支援診療所の連携体制の中に、「薬局」も含まれている点です。薬剤師が、在宅医療においてその役割を期待されていることの現われです。 今後、在宅療養支援拠点が具体化されていけば、ますます地域の介護サービスにおける薬局、及び薬剤師への期待も高まることが予想されます。
著者:(株) イニシア 代表取締役 田原 一(薬剤師)
- 【Serendip】 介護保険と薬剤師 その1:療養病床と在宅医療の関連性 ―入院から在宅へ―
