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第2回日本薬局学会学術総会 基調講演
「院外処方せん情報を用いた感染症監視システムの構築と運用」


8月31日に開催された、「第2回日本薬局学会学術総会」における基調講演では、大日康史氏(国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官)により、『院外処方せん情報を用いた感染症監視システムの構築と運用』と題した講演が行われました。

国立感染症研究所は、厚生労働省直轄の研究所として機能し、感染症全般の研究・政策助言や、感染症対策、予防接種行政に関する政策助言等を行っています。

現在の感染症発生動向調査では、患者の受診から情報の収集・公表までに10日ほどの日数を要していることから、よりスピーディに感染症の流行状況を把握するためのシステムを厚生労働科学補助金を受けて(株)EMシステムズと共同開発しました。特に、新型インフルエンザにおいては迅速な情報収集が重要であるとして、新型インフルエンザの国内侵入から感染拡大シナリオ及びシミュレーションが紹介されました。丸の内に勤務する人が海外で感染した後、日本に帰国、通勤時や勤務先などで多くの人に接触し、多くの人が感染し、驚くべき速さで県外などにも広まっていく様子が示されました。

そこで、感染症の早期探知・早期対応のためのシステム「健康危機情報早期収集システム」が紹介されました。近年IT化が進んでいる調剤薬局に注目。処方せんの情報から、感染症流行を探知するアルゴリズムを用いて分析し、通信網を通してそれぞれの薬局に情報還元するという仕組みです。調剤薬局での処方せん情報を毎晩自動的に、レセコンの個人情報を参照することなく、薬効分類(総合感冒薬、解熱鎮痛剤、抗生物質、タミフル・リレンザ、アシクロビル製剤)ごとの処方せん枚数を勘定・解析。アルゴリズムで予測された処方せん枚数と比較し、処方せん枚数が予測を上回っている場合、異常として探知されます。

当システムは現在、158薬局で試験運用が開始されており、全国的に順次拡大していくとのことです。また、熊本県・滋賀県・大分県・千葉県・新潟県・福岡県などの薬剤師会でも実施に向けた検討がなされています。

大日氏は、将来的には本システムを新型インフルエンザ対策用のサーベイランスとして全国的に実施し、対応レセコンを広げることで協力薬局をさらに拡大していく構想を示しており、さらに医療機関、学校欠席者、救急車搬送の情報とも相互参照できるようなシステムを構築し、国の感染症対策として取り組んでいきたいとしました。

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