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教 育
日本薬剤師会学術大会ランチョンセミナー
「添付文書の読み方-医薬品を正しく理解するために」
-北里大学薬学部 教授 望月眞弓先生
公定文書として訴訟の資料にもなる添付文書
10月8・9日の2日間、福井市で日本薬剤師会学術大会が開催されました。このなかで、エーザイ後援により行われたランチョンセミナーにおいて、北里大学薬学部教授・望月真弓先生に「添付文書の読み方-医薬品を正しく理解するために」をテーマにご講演いただきました。
まず冒頭に、座長の旭満里子先生(信州大学医学部付属病院薬剤部副部長)が「医薬品情報には限界があるが、『添付文書』その中で唯一の公定文書である。訴訟の場合も、添付文書情報は極めて重要である。添付文書について、なぜその情報が重要なのか、根拠などを読み取って欲しい。医薬品の適正使用は、薬学部6年制のなかでも大きな課題である。」と述べました。
これを受けて、望月先生は、添付文書とは医薬品の適正使用を図るために医師、歯科医師、薬剤師等の専門職を対象に作成されたものであり、薬事法に基づき作成された唯一の法的根拠のある情報源であることを再度確認しました。
添付文書を「読む」
次いで、添付文書への記載項目の説明では、有効性と安全性の記載について、有効性については、評価・検証された情報を記載することとなっているのに対し、安全性については、効能・効果外、用量外など承認の範囲を逸脱した情報であっても記載することが「できる」と説明しました。
添付文書については「作成・改訂年月が重要」とし、薬物モニタリングが何分間隔で行われたのかが争点になったケースを挙げました。新しい添付文書ではモニタリングが2分間隔となっていたが、事故の起きた時点では5分間隔とされており、過失無しと認定されたという事例で、そのような場合のために「古い添付文書も証拠として取っておくことが大切」と指摘しました。
販売名については、リスクマネジメントの観点から剤形、規格、含量を含めるのが原則になっていると述べ、剤形、包装によって劇薬指定となる事例を挙げて、規制区分とともに極めて重要な情報であると述べました。
禁忌については、「他に治療法がないこと」、「絶対に使わないということでなく、リスクとベネフィットにより判断すること」、「カルテに記録を残すこと」が大原則であるとしました。
効能・効果については、インタビューフォームにも目を通すことが必要であると述べました。「アリセプト」の無作為化用量並行反応試験の結果として、認知機能が正常に近い症例を除いた解析で3mgと5mg投与の間に反応性の変化点があることが説明され、この時点では認知機能が正常に近い症例では効果が明確に検証されていないことが指摘されました。しかしながら、その後の市販後において論文発表等でアルツハイマー型痴呆の確定までいっていない症例(Probable AD)において良好な成績が得られていることが示されています。これらのことから市販後の情報のフォローアップも重要であることが説明されました。


用法・用量についても、無作為化並行用量反応試験は添付文書ではなくインタビューフォームに記載されることが多いとし、「パリエット」について再発性・難治性の場合は1日1回20mgが認められているケースなどを示しました。


さらに、重要な基本的注意の項は「重大な副作用または事故を防止する上で、用法・用量、効能・効果、投与期間、投与すべきでない患者の選択等や、副作用防止のために患者に注意を与えるべき事項も記載されているため、非常に重要である」と述べました。
添付文書を活かすために
講演の最後に、望月先生は添付文書を活かすためのポイントを次の通り紹介しました。
- きちんと読む(効能・効果など一字一字に意味がある)
- 記載容量を理解する(記載していいことは?)
- 独特の言い回しを理解する(適宜増減など)
- 裏付けをとる(オリジナル論文等)
- 補完資料を活用する(医薬品インタビューフォーム、新医薬品の使用上の注意の解説、新薬の承認に関する情報)
- 注意をとくに要する医薬品のポイントをまとめる
- DSU(医薬品安全対策情報)などからupdate化を行う など
